推しライフ徒然草

推し(吉沢亮さん)への愛と考察と妄言のつぶやき

青天を衝け~感想~第34話

栄一と伝説の商人
完璧じゃね?
ある意味、完成された回。
今までの積み重ねがすべて反映されている。
役者の演技、脚本、演出、構成、ダメ出しできるところがない!
何回でも見れる回だわ~。

アバン・パート。
不換紙幣をめぐって大隈さんに声を荒げ、
銀行を金儲けに利用する人々に顔をしかめ、
仕事では、厳しい顔をする栄一も、
家庭では、子供たちと戯れる栄一の父親っぷりが微笑ましい。
仕事と家庭の対比からスタート。

そして、
栄一が予てより求めていた、商人らが手を携えて意見を出し合う場として、
京商法会議所を設立するも、
養育院のほうはうまくいってない現状。

しかし、
ビジネス面では、キーパーソンの岩崎との間に暗雲が漂い始める。
一方、養育院は、お千代の訪問により、光りが見え始める。
という対比。

今回なんといっても素晴らしいのは、
栄一VS岩崎の信念対決と、
栄一&お千代の夫婦感!!

栄一と岩崎との会食の場面。
お酌してくれる芸者にヤニ下がる栄一の顔。
女好きであった渋沢の一面を表情で表現する吉沢さん。
27才の若さで、俗にまみれた表情もできるなんて!!
自らイケメンイメージにこだわっていないところ好感持てますわ~。

最初は、「国を豊かにする」という点で岩崎と意気投合していたのに、
「膨大な輸送費を政府からもろうちゃったぜよ!これからは金の世ぜよ!」
とイキる岩崎に、
『え?』と困惑し、『意見がズレた』瞬間を、視聴者に目撃させる。
舌戦もさることながら、セリフ以外でも栄一の心情の変遷を表情で物語るのが、実にうまい!

合本で皆が豊かになることを目指す栄一。
それを、まどろっこしいと指摘する岩崎。
そんなことをしている間に、
「日本は破産するがじゃき」
と、痛いところを衝かれ、『ハッ』とする。
日本経済の現状を知る栄一だからこそ、
岩崎の言うことに一理あるのも分かっていたのだろう。
だが、信念の違い。

「一人の才覚ある者が己の考えだけで動かしていくがが最善や」

「利益を独りじめするようなことがあってはならねぇ」

飲み込もうとする岩崎に、だが折れずに、己の意見を貫く栄一にスカッとする。
芝翫岩崎の迫力も凄い。
だが、
立ち上がって帰ろうとするも引き止められている所に、柱の陰からやすが手招き。
テンション高い芝居から、一瞬にしてコミカルパートへの切り換え。
ここもまた「表情」のみで芝居パートの切り換えが、実にお見事!

やすの登場で、円四郎の「おめぇはおめぇのままでいろ」というセリフが活きてくる。
岩崎の信念に違和感を感じる栄一に、『おめぇの気の済むように進め』とばかりに背中を押してくれる。
実に巧妙な構成!!

そして、今回ピックアップされていたお千代の素晴らしさ!
書生たちに喝を入れる場面では、お千代の芯の強さや覚悟を描いていて、
養育院では、聖母のような慈愛を描いている。
そんな千代の姿を、愛しく見つめる栄一の眼差し。
夫婦で毎月訪問しようと、声をかけ、嬉しそうに微笑むお千代。
栄一と千代の長年連れ添った夫婦感が素晴らしい。
それと同時にフラグにも見えて…
青天あるあるで、いい人エピソードは退場回間近の雰囲気が…

とにかく今回は、見応えたっぷりの回でした!!