推しライフ徒然草

推し(吉沢亮さん)への愛と考察と妄言のつぶやき

青天を衝け~感想~第33話

論語と算盤。
今回は妾が出てこなかったのでストレスなく視聴。
銀行の危機回避と、横浜蚕卵紙問題と、
栄一の仕事上での危機が次々と訪れてミッションクリアな回で、
演技面でも見応えアリの凝縮回。


栄一に貫禄がついてきた!
特に、静岡訪問シーン。
普通人オーラになった草なぎ慶喜と、
仕事の重責を担う貫禄オーラが出てきた吉沢栄一の対比が見事!
美香君から平岡細君との話を聞く栄一の顔にも、風格が漂っていた。
そして、正月のシーンでも。
縁側に千代と並んで座る栄一の姿にも年齢を積み重ねてきた重厚感が滲み出ていた。
それと、着物が立派になったこともあるのか、吉沢さんの着物の所作が綺麗!
所作に落ち着きが備わっているように見える。
年齢感を出すために、動きを若干ゆったりめに調整してるのかな?
姿勢も胸を張るような姿勢になった気がする。
それが、落ち着きと貫禄を見せているのかも。


「国を助けると思うて、味方になってくれんか?」
大久保さんが五代さんからのアドバイスを受けて、栄一に初めて頼る場面。
ここの二人の芝居が良かった!!
大久保さんのプライド高い人が頑張って頭を下げて頼む絶妙なぎこちなさ、
その言葉を受けて、
ちょっとの表情の変化で、頑なだった栄一の心がふっとほぐれる瞬間を表現する吉沢さん!!
小さく笑みがこぼれて、頷きもわずかなのに、しっかり引き受けたと分かる。
その表情の塩梅加減が最高オブ最高!
普段の栄一は大きな演技が多いけど、吉沢さんの真骨頂でもある繊細な演技が光る場面が出て、グッと惹きつけられる!
そして、そのあとの
「おかしれぇ、やってやりましょう」
これが尚更にカッコ良く見える効果!!


この場面の冒頭、大久保さんに蚕卵紙問題の対策してるかと聞かれて
「ご存知かと思いますが、銀行も今正念場を迎えて~」云々
セリフの出だしは、静かなよそゆきの声で入り、
最後の「おかしれぇ」は、カジュアルな本音が出て、
シーンの冒頭と終わりで、対照的な変化を、声でも表情でも差をつけている。
いち場面での緩急がお見事!さすが!!


よそゆき声は、若干、半沢SPの高坂圭の喋り方とダブってたけど笑。
それと、金が値上げした報せを受けて
「俺が無知だったぁ」
の言い方は既視感。
めずらしく吉沢亮が出てたなーと思った。


あと今回、音声さん変わった?と思うくらい小さい音の拾い方が雑だった気がする。
それか、セリフが膨大すぎて理解が追いつかなかったのか、
音の強弱を入れ込みすぎたのか、
小さい声の部分が聞き取りづらかった。
もともと吉沢さん声小さいけど、今までこんなことなかったから、ボリューム上げて視聴したのは初めてだった。


それにしても、さすが大河だけあって、いろんな先輩俳優との演技対決が見応えあった!
栄一@吉沢さんvs
三野村@イッセーさん、大隈@大倉さん、大久保@石丸さん
先輩役者との共演がもっと増えてくれたら嬉しいな~。
吉沢さんの新たな演技・芝居をもっと見たい欲が湧いてくる~!


そして、大久保さんをヒール役で憎たらしいだけの人物にしないで、五代さん絡めて優しい不器用な面もある人物だったと描いて退場。
キャラへの愛情ある脚本の妙は、相変わらず素晴らしい。


その一方、今回は経済の回として見た場合、分かりにくいなという印象。
『雄気堂々』を読んでいたからこそ脳内補完が出来たけど、読んでいなかったら、何が起きているのか分からなかったと思う。
ニュアンスで、なんとなくスカッとするようなことが行われているのかな?くらいに留まってた気がする。
分かりづらい幕末の時代背景を、余計なもの削ぎ落して分かりやすく表現できてた今までに比べて、経済の分かりやすさは十分ではないように思えた。尺が足りない関係もあるのかもしれないけれど。


銀行危機の件は、政府からの突然の難癖に、小野組を自ら倒産させることの意味や重要性が伝わってこなかった。
政府を出し抜く感もなかったのは、会計監査のほうをメインにした構成だったから?
vs三野村(三井組)構成のせい?
単に小野組を犠牲にしただけで、栄一が困難に直面した感じがうすい。


そして、横浜蚕卵紙問題も、外国商人へのしてやったり感があまり伝わってこなかった。
「買い控え」と言葉の説明のみで、何が行われていたのか<絵的な説明>がなかったので、理解しづらかったと思う。
外国商人たちが蚕卵紙を買いたたくシーンの絵と、
日本の商人が困るシーンの絵を、
喜作の説明とかに混ぜ入れる形でもあったら良かったのに。
蚕卵紙を焼くシーンでも外国商人が野次馬化してただけで、焦っているのがあんま伝わってこないなぁ、と。
あと、蚕卵紙を焼いたことで、どうなった…という結末がなかった。
ナレーションでも語られなかったの謎。
外国商人たちが折れるまで何日間も焼き続けたというナレ入れて欲しかったわ。
栄一たちの10年越しの横浜焼き討ちの絵的な余韻を残そうとしたから?


なんで燃やしたの?
それで、どうなったの?
というのが、分かりにくかったと思う。
そのため、スカッと感も半減ぎみ。


これも『雄気堂々』を読んだ先入観かもしれないけど…。
銀行危機のスリリングさと、時間との勝負感にワクワクしたし、
蚕卵紙問題も、官が動いているように見えてはいけないからと、まさしく栄一が暗躍。
良品には十分な買付金を払い、
粗悪品を焼くことで日本の商人サイドに対する製品向上の意識上げと、
外国商人とのチキンレースみたいな交渉パフォーマンス。
そこにワクワク&スカッと感に興奮した!
それを求めすぎたのかもしれないなぁ。


まぁ全体的に、尺の足りなさの影響もあるかもしれないけど、
栄一の仕事面より、人間ドラマ中心になってしまうのかなぁ…
仕事面重視でお願いしたいんだけどなぁ…


演技面では堪能できてるだけに、
今後の展開にも、欲が出てきてしまうわぁ……