推しライフ徒然草

推し(吉沢亮さん)への愛と考察と妄言のつぶやき

青天を衝け~感想~第32話

栄一、銀行を作る。
タイトルはそうなんだけど…
結局、妾フォロー回になってるやんけ…
どんだけ妾ピックアップすんの??


渋沢栄一が何した人か分からないから大河で学ぼうと見ていた側からすれば、栄一の凄さや偉業がまったく伝わってこないのですが…
偉業を成し遂げる達成感を味わいたいのに、それがあんまりない…
かろうじて郵便事業開始くらい??


ここ3週、妾問題ぶっこみで、
廃藩置県がすごいことだったということや苦労が流された感…
納期迫って長時間残業で乗り越えた感だけで、何が凄かったのか海外の新聞&ナレ説明で終わり、あまり伝わってこなかった…
富岡製糸場も惇忠兄ぃにお任せ…
銀行も小野と三井にお願いしただけじゃん?


一橋家臣編の銀札発行や白木綿、兵士募集の時のような、試行錯誤や苦労の過程が描かれていないから、いまいち盛り上がらないし、印象に残らない。


銀行回を週を分けたせいもあり、意味合いも薄れてる気がする。
大久保不在の間に、廃藩置県に関することのみで新しいことするなという約定の隙間を狙って、銀行をつくるというスリル!と大胆な実行があったはず…
それも、民が豊かになるためにという大意があったはず…
三井ハウス取り上げの狡い方策も、栄一の官から民への転身のきっかけにしたのは見事だと思うけど、
民へ転身して、どう銀行づくりを支えて、どう民へ貢献しようとしたのか、栄一の決意が見えづらい…
三条と高木刑事…もとい玉乃とのコントパートで流されて、栄一の決意として軽く流された感…


それなのに…
妾へのフォローが手厚くてもやもやする…。


姉っさまには、視聴者の言いたかったことを代わりに言わせて溜飲下げさせて、バシバシ栄一をど突いて、スカッと的な役割を担ってもらった。
母っさまには、栄一を優しく諫める役割と、妾の子も栄一の子だと視聴者に分かりやすく訴える役割を。
うたちゃんには、血洗島の歌を歌わせて、家の片隅でくにが家族の歌を聞くさまに疎外感を印象づけ、妾もつらいんです感の演出。
千代は、けなげな正妻感を描きつつ、くにを家族の一員として疎外することなく扱い、くにが分をわきまえつつ感謝するという流れ。


特に、母っさま臨終シーンでの演出はじつに細やか。
千代がくにを呼んできた場面、正妻の千代の寛大さを浮き彫りにすると同時に、
栄一もあからさまではないが少なからず驚いた顔をしていたし、
篤二を抱えた女中も意外そうに決まり悪そうな顔をしている。
それが妾の置かれた立場を物語っている。
正式な家族の一員としては見なされていなかった状況。
くにも室内に入らず、廊下に控えて謙虚さを示す。
正妻と妾の立場をしっかり線引きした演出。
その上で、母っさまは、最後の最後に千代へと言葉をかける。
千代への愛情が伝わる演出。
そして、くにが涙を流して頭を下げることで、母っさまの差別のない愛情への感謝が示される。


渋沢家の女性たちの物語にすることで、
視聴者が眉をひそめるであろう妾問題をうまく緩和する作りになっているのは見事だと思う。
かっさま退場回にあわせて、妾へのフォローを入れる前提での構成だったからこそ、妾との出会いもあえてコメディタッチで逃れるような描き方にはしなかったのだろう。


栄一が聖人君子ではないダメな部分もある人間だということも描きたかったのだろうけど…
予想以上の拒否反応に、妾出てくる度にテンション下がって…もう出なくていいよ…と、正直思ってしまう。
嫌悪感まで出たらダメだよ…。


妾のつらさを描いても、お千代の正妻としてのつらさやけなげさも描かれているから、どちらにも同情が向けられる流れで…結局、栄一が一番悪い!となるわけで…
好感度ダダ下がり…偉業ピックアップではなく妾ピックアップになって…
新一万円札…気持ち良く使えるようにして欲しかったわ…
史実とのバランスもあるだろうけど…描き方の問題として、ここまで取り上げる必要あった…??


しかも、10ヶ月もかけて描いてきた栄一と千代との純愛が突然綻んで、
母っさまの死後、栄一と千代が別々にいることで、二人の心の距離が開いてしまったような印象。
母っさまと千代の話しを立ち聞きしていた栄一は、一体何を思ったのか…。
母っさまが栄一の代わりに千代へすまないと謝っている様子をどう受け止めていたのか…。
申し訳ない気持ちと後悔と、でも時間は戻せない事態と、各方面へ向けられた愛情と、様々な葛藤。
栄一じたいが、どうしたらいいのか考えあぐねているようにも見えた。
でも絶対に栄一には同情できない状態。


青天はずっと今まで視聴後、さわやかで前向きな気持ちになれた。一週間頑張る活力になる大河だった。
しかし、妾問題勃発してから、そうではなくなった。
それが、とても残念。


とはいえ、一転、
喜作とはケンカしてもすぐ仲直りする幼馴染みっぷりがずっと変わらずに描かれていて安心する。


ラスボス感のある弥太郎も出てきて、
仲良かった大隈も暗黒面に堕ちたような感じになって、
栄一にどう立ちはだかるのか?


こういうミッションクリア的なワクワク感を増やして欲しいんですけどね…


ただ追加された登場人物を見てみると、
最後のほうは渋沢家物語になるようで…


う~ん、そういうのじゃなくて、渋沢栄一の功績のほうをピックアップして欲しいんだけどなぁ…


ポジティブ思考でドラマ鑑賞できる力を養いたいものだ…