推しライフ徒然草

推し(吉沢亮さん)への愛と考察と妄言のつぶやき

青天を衝け~感想~第26話

太夫、再会する。
今回は栄一にとって、ひとつの時代を清算する回だったのかな。


だがしかし…。
吉沢亮のご尊顔が美しすぎて…話しが…入ってこない。


抱っこされてる子役が羨ましすぎる…。
あ、いや、ちゃんとドラマも見ている。


冒頭から、長尺ワンカット&長台詞!
パリの土産話は噺家かと思うほどぽんぽんテンポよく長台詞を喋りまくり、
それをこなす吉沢さんが凄すぎる!


さらに、泣き演技の多彩さ!
徐々に目が赤くなり、鼻も赤くなり…何回泣いたのか、いくつパターンがあるのか、それら全部ちがうとか、凄すぎるでしょ!


特に今回は特別なエピソードがあるわけではないけど、
演出と脚本の秀逸さと、演者の素晴らしさで、余韻のあるドラマとなっていた。
そして、
登場人物たちの思いを汲み取る、いい大河ドラマ!!だと再認識!!

 

◆風景が素晴らしい帰郷シーン
血洗島の象徴ともいえる大きなひこばえの木と、
菜の花畑が一面に広がるの故郷の景色が、とても美しい。
誰にとってもノスタルジックさを覚えるような、素晴らしい風景。


東京ドーム5個分の広大なセットというが、スタッフ&関係者の心意気が伝わるような、丹精込めて作り上げたであろう美しい光景が、ドラマのバックボーンとして、また栄一の心に根付いる故郷の風景として、とても印象的に映し出されている。


とっさまの嬉しそうな顔と、村人たちのはしゃぐ姿、
菜の花畑の真ん中で再会を喜び合う親子のシーンは、まるで一枚の絵画。
この美しい風景があってこその、叙情的な帰郷シーンとなっていた。


そして宴の準備をする母のそばへと近づき、物言いたげな甘えたげなそんな栄一の顔は息子の顔そのものであり、姉っさまにサバサバと諭されるのも弟の顔だった。
家族の顔ができる演者同士の空気感や関係性がまた素晴らしくもある。


めでたい帰郷も、そればかりではなく、幕末の動乱や平九郎の死が影を落とすところもあり、栄一が静かに堪える場面もまま差し挟まれる。
その明暗、緩急がグラデーションのようになだらかに展開していくから、視聴感情もスムーズに乗ることができる。
素晴らしい構成力だと思う。


そして、今回のタイトルにある再会。
特筆すべき3つの再会シーン。
・長七郎との再会
・惇忠兄ぃとの再会
慶喜との再会

 

◆長七郎…ありがとう!涙
予告の段階から、以前の綺麗な長七郎だったので、たぶんそういうことだろうなぁ…と思いつつ見ていた。
「悔しいのは俺だ」「だが、お前は生きている」
長七郎にしっかり言わせた脚本がすごい!
ある意味、長七郎に志を遂げさせず生きながらえることを強いた栄一に、
長七郎の無念さを、しっかり栄一に伝える、という。
逃げない脚本だな、と思う。
しかも、それは栄一を責める言葉としてではなく、
思いを口にすることで解消するというか、長七郎の無念を晴らす作用をしていたように思う。
そのうえで、
「生き残った者には為すべき運命がある」
と、以前の栄一の言葉でもって、栄一に前を向けと示唆をする。
この脚本の妙!


さらに、悲憤慷慨という言葉を覚えた、ひこばえの木の下で、そうした世が崩れたぞと、栄一に発破をかける。
「この先こそが、おぬしの励み時だろう」
だから、前を向いて行けと栄一の背中を押す、長七郎の爽やかな愛情。
これこそが本来の長七郎の姿だ。


しかも、悲憤慷慨という言葉で、4話と26話を繋げるだけではなく、
栄一が世の中に疑問を覚えたスタート地点で、そのひとつの時代の終焉を告げ、次の時代へと栄一が一歩踏み出す場面に仕立て上げられている。
この脚本構成の緻密さよ!!!


この世から解脱することで、攘夷という呪いから解かれた長七郎が、
次の新たなる世を生きる栄一の背中を押す。
彼岸と此岸。死者と生者。旧時代から新時代へと、次を託し託されるという対比にもなっていた。


その彼らの後ろで、見守り続ける、ひこばえの木。
俯いていた栄一が、長七郎の言葉で、前へ進もうと決意して見上げる、ひこばえの木!
故郷の象徴であり、幼馴染みたちとの思い出の象徴でもあり、まさに原点回帰。
この画面構成の素晴らしさよ!!
ああ、なんていい大河だ!!


脚本、演出、そしてそれに呼応する演者たち!!
爽やかな長七郎の笑顔には、志半ばの辛さや悲しみから解き放たれた軽やかさと、ほんのちょっとの寂しさも漂わせつつ、栄一を見つめる優しい、慈しむような眼差し。
長七郎に頭クシャされた瞬間、栄一が幼馴染みの従弟に戻った気がした。
長七郎から感じる愛おしさ。
それは満島真之介さんが言う通り、栄一に対しての、また吉沢亮くんに対しての、心からの親愛や信頼があったからこそだろうし、二人だからこそ生まれた表情だろう。(後日公式にあがった2ショットの髪クシャ&顔クシャ笑顔にも感謝!)


それと同時に、
長七郎が栄一の背中を押すことで、尾高長七郎という人間の魂も昇華されたように思えた。
若かりし頃は剣豪で名を馳せた実際の長七郎さんが抱えたやり切れない想いや苦悩、国を思う気持ち、仲間への想いなど、
本意ではないところで病んでしまったが故に伝えきれなかった本当の想いとは、
前を向いて生きていけ!ということだったのではないかと。
満島真之介さん演じる長七郎の爽やかな笑顔と後押しの助言で、
憂いが晴れたのは、栄一だけじゃなく、長七郎さん自身の魂もだったのかな、と。
そんなふうにも思えた。


前回の平九郎にしても、
名もないまま死んでいってしまった虚しさを、岡田健史くんを通して、若く純粋な想いを抱えた志士だったのだと、世に知らしめて、昇華することができたように思う。


今回の大河ドラマは、登場人物たちの思いを汲み取るだけでなく、
いい意味でも、鎮魂になっているのでは…と思わずにはいられない。


◆惇忠兄ぃの前だからこそ…
「俺はこの恥を胸に刻んで、いま一度前に進みてぇ。生きている限り」
あえて『恥』と言わせたことが、また逃げない脚本だなと思った。
そして『恥』と言った時の栄一の顔が、本物だった。
本当に恥を胸に抱えた顔をしていて、それがすごいな、と。
生き残った者たちの悔恨と、本音の吐露。
人生の指標を与え続けてくれていた兄ぃ相手だからこそ、
涙を流し、みっともない部分さえ曝け出せた。
それがまた惇忠兄ぃの心にも呼応した。
まさに、
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。(家康公遺訓)
生者は生者でつらいのだ。


と、ちょっとここであらためて気づいた。
長女うたちゃんの「ウタ」とは、詩を詠むの「ウタ」からきてるのね。
惇忠兄ぃと詩を詠みながら旅したこともあったし、惇忠兄ぃの影響なのね。


そして、ここの吉沢さんの泣きの演技も素晴らしかったんだけど…
カメラワークが切り替わりすぎて、
いつもガン見している吉沢ファンだからこそ、泣きの顔が繋がっていないのが分かってしまい…いや、ちょっとそこ…ワンシーン長回しで良かったのでは…と若干ダメ出ししつつ…、何度でも同じテンションで泣ける吉沢さんすごい…と思うのでした。
(まぁ、たぶん栄一の顔も兄ぃの顔も正面から撮りたかったのだろう…どっちも素晴らしい演技をしているからこそ…贅沢なカット割りの悩みだねぇ…)


慶喜との対面
名シーンきたよ、これ!
草なぎくんの表情の変遷が素晴らしかった。
失意の底にいるような生気のない顔から、
栄一の話しを聞いていくうちに、徐々に明るくなっていく。
言うは易く行うは難し。
暗い室内がだんだんと日差し(照明)が差して明るくなっていく演出も非常にエモい。


栄一も一旦は問い質そうとするが、遮られて慶喜の心情を察し、切り換えてパリの話しを面白おかしく語りだす。
ナポレオンとの話をし出したと思ったら、出立する船の話しに舞い戻って話し出す。
視聴者みんなが、そこからかよっ!と突っ込み入れたに違いない。
ここも脚本の妙。
長七郎の「お前はよく喋るのう」
猪飼様の「お前の話しは長い」
を思い起こさせ、滔々と語る栄一を見つめる慶喜に、在りし日の「おぬしの顔に見入り聞いていなかった」という藩札の場面を思い出し、懐かしくなる。
その過去回からの懐かしみが現状とのギャップを際立たせる。
本当に無駄のない脚本!!!


そして、一転。
去りかける慶喜を思わず引きとめる栄一。


「どんなにご無念だったことでございましょう…」

目を赤らませながら告げる言葉。
そのひと言に栄一の思いが滲んでいた。
凄すぎて、役者・吉沢亮、名優への道が見えました!


この、たったひと言で、
語られなかった鳥羽伏見での慶喜の立場や苦悩が浮き彫りとなる。
これまでの逃げた卑怯者呼ばわりの歴史観慶喜像とはちがう慶喜の姿を、
鳥羽伏見のシーンをわざわざ描かなくても、
慶喜の内面の葛藤を、十分に視聴者が思い描くことができる力を持った言葉だった。


同時に、将軍慶喜を気遣う誠実な幕臣としての言葉でもあり、
慶喜や徳川に組する者たち皆へのいたわりの言葉にも聞こえ、胸に沁みた。


脚本が秀逸なのはもちろんだけど、
それを体現させ、言葉ひとつ表情ひとつで多重構造になった物語や幾重もの感情を伝える吉沢亮の凄さよ!
奥行きのある演技ができている証拠で、本当鳥肌モノですわ!!


これこそが、『発する言葉の説得力』(by 菓子P)


まさにそれが体現されていたシーンでした!!
吉沢さん、すごすぎるでしょ!!!!

 


◆大河主演の苦労…
ほっこりする帰郷シーン。
中ん家の屋内シーンに入ってからの吉沢さんの表情がなんだかわずかに硬い。
時々無理して笑っているように頬が強張っている。
それは、妹のおていに平九郎の死を責められ、自責の念もあるからこその栄一としての硬い表情の演技なのか…

それとも、少しばかり吉沢さん自身がお疲れ状態になっているせいなのか…

ちょっとだけ気になった…

大河の主役をやっていると、病む時期というのが一度はくる…という。
一年半という長期間にわたる撮影、主役として重責、周りへの配慮、等々。
そういうものが積み重なって、圧し潰されそうになる一瞬があるらしい。

丁度帰郷シーン撮影前後のほっとぐんまのインタビューでも、
「なかなか終わりが見えなくて絶望する…」とめずらしく弱音吐いてたみたいで…

まぁ、弱音吐くくらいなら周りが気づいてフォローするだろうから、
そういうのにしっかり甘えて、HPチャージして回復してくれたらなぁ…

考えすぎかもだし、今はしっかり回復してるだろうし。


今週のTwitterで、
『あとは最後まで突っ走るだけだ~』
とあるから大丈夫な気はするけどね!
もちろん、最後まで応援するぞ!!

 


そして、
せっかくの神大河!

今後の視聴率アップ!!祈念!!